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ちまちま中間手続66

弁理士近藤充紀のちまちま中間手続66

拒絶理由 進歩性
 いわゆるFCCガソリンの軽質留分を水素化脱硫することは文献1、2を参照。例えば文献1実施例1,2、また文献2特許請求の範囲及び実施例の記載によると、その接触クラッキング・ガソリンの終留点、水素化処理する触媒組成、温度圧力などの条件は本願請求項にて規定する範囲内である。
 文献1、2にはさらにスイートニングすることの記載はないが、水素化分解に引き続き酸化触媒、塩基性成分などでスイートニングすると好適であることは文献3に開示されている。
 より一層脱硫レベルを向上する文献3に記載の技術を、文献1、2に記載された発明に適用することは当業者が容易になしうることである。
 また、いわゆる抽出スイートニングもスイートニングの周知慣用技術であるから(文献4)、スイートニングを抽出スイートニングに変更することも困難性はない。

意見書
 本願発明の趣旨について説明する。本願明細書の段落[0012]~[0017]において記載されているように、接触クラッキング(FCC)により生じたガソリン留分中の含硫黄化合物には、除去されやすいメルカプタンと、抽出によって除去されないベンゾチオフェン等の複素環式化合物とが存在しており、複素環式化合物は、水素化処理によって除去され得る。これらの成分が共存した状態のガソリン留分をそのまま水素化処理すると、オレフィンの分解によりオクタン価の損失につながる。これが従来技術の問題点であった。これに対して、新請求項1では、工程(1)により、相対的にオレフィンに富み且つ硫黄分が主としてメルカプタンの形態で存在する軽質留分と、相対的にオレフィンに乏しく且つ明瞭に高騰した硫黄含有量により特徴付けられ、しかも抽出方法によっては除去されない複素環式化合物で硫黄分を含む重質留分とに分け、それぞれ、軽質留分についてはオクタン価の損失につながらないような適度な処理を施すことにより硫黄分を除去し、重質留分については複素環式化合物等の形態の硫黄化合物を水素化処理することにより処理する。このような工程を経ることにより、本願請求項1では、オクタンの損失を最小限にしながらガソリン留分の硫黄含有量を低レベルに減少させることができる。

 新請求項1では、パラジウム含有触媒を用いる工程(3)においてスイートニングが行われている。また、旧請求項10に対応する新請求項9では、処理帯域(7)においてスイートニングが行われることを規定した。
 引用文献1および2はスイートニングに関するものではない。引用文献3には、酸化剤によるスイートニングに関するものである。引用文献4は抽出スイートニングに関するものである。引用文献5には、2工程での水素化法が記載されているだけである。
 したがって、引用文献1~5のいずれにも、本願発明のようなパラジウム含有触媒を用いるスイートニングは記載されていないので、本願発明は、引用文献1~5に基づいて容易に想到することができないものである。

特許査定

審査官の示す理由には、必ずしも噛み合ってない、というか、無視まではいない弛度に付き合わずに、独自的に理論構成して特許査定に至ったものである。